スウェーデンの喫煙事情とスヌース(スウェーデン発祥の無煙たばこ)の実態。
Contents
1. スウェーデン喫煙事情 喫煙者減少の一方で増えるスヌース愛好者
スウェーデンでは今年7月、新たな喫煙対策規制法が施行された。
7月1日より、バス停や電車のホーム、バーやレストランのアウトドアスペースを含む場所における喫煙が規制の対象に加わり、公共スペースにおける喫煙はほぼ全面的に禁止される事になった。スウェーデンでは2005年に、いち早くバーやレストラン内での禁煙が義務化されており、今回の法案は更なる規制強化を求める声に応えたかたちだ。
2. SNUS(スヌース)とは
17世紀に入ると、かぎタバコはスウェーデンに普及しはじめた。その後、かぎタバコをベースに19世紀、国内のタバコ生産者により考案されたものが現在のスヌースにあたるもので、その後、広く一般国民の間で普及していったという。
日本でも2013年8月よりスヌースの販売が開始されており、JT(日本たばこ産業会社)のHP上でも紹介されている。
3. 非喫煙者は試すべきではない!?
留学中、寮に住むシリア人の友人に薦められ、伝統文化に触れるという名目で、一度スヌースを試しに使用した。ちなみに、私は普段全くタバコを吸わない人間である。
唇と歯茎の間に入れると、少し歯茎を通し、発熱による熱さを感じ、10分ほど経つと頭が少しクラクラしはじめた。始めは、心地よい船酔いのような気分がしただけで、悪い気分はしなかった。しかし、時間が経つにつれ、徐々に吐き気を伴う気持ち悪さに襲われはじめ、20分後、口からポーションを吐き出した。頭がフラフラし、気持ち悪さに耐えきれずトイレに駆け込み、その後1時間ほどこもっていた。
最も強いスヌースを使用したため、このような結果を招いたのは否定できないが、個人的には、普段タバコを吸わない、ニコチンに慣れていない人間がスヌースを使用するのはおすすめできない。もし試してみるにしても、不快感を感じたらすぐに取り出した方がいい。
煙や臭いを発しないその特性から、授業中や仕事中にスヌースを使用しているスウェーデン人の友人は少なくなかった。タバコとは違うといえども、ニコチンを摂取することに変わりはなく、もちろん健康に対する害はある。ある研究調査によると、一日1~2つのポーションを使用するスヌースの愛好者は、そうでない人に比べ、糖尿病にかかる確率が70%高いという。タバコに比べスヌースによる健康被害に関する研究は乏しいため、スヌースの健康被害に対する危機感を抱きにくいことが、一部の研究者によって問題として指摘されている。
4. SNUS(スヌース)の歴史と歩みを学ぶなら SNUS&MATCH MUSEUM
ストックホルムには、スヌースの歴史と製造過程について学ぶことのできる博物館がある。その博物館は、観光客に人気の高いABBA博物館や野外博物館スカンセン、北方民族博物館があるユールゴールデン島に位置するため、それらを訪れるついでに覗いてみるのもいいかもしれない。