SORA BLOG

1997年 神奈川県生まれ。幼少期から中学時代にかけ、毎週末フェラーリをはじめ高級車を扱うショールームの扉を叩いて回るなどクルマを追いかけ回す日々を送る。高校時代、友人と仏を旅したのを機に関心の目が世界へと広がる。大学入学後、20カ国以上を放浪。1年間スウェーデン・ストックホルムに滞在。/大のビートルズ好き

スウェーデンの喫煙事情とスヌース(スウェーデン発祥の無煙たばこ)の実態。

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Contents

  • 1. スウェーデン喫煙事情 喫煙者減少の一方で増えるスヌース愛好者?
  • 2. SNUS(スヌース)とは             
  • 3. 非喫煙者は使用するべきではない!? 
  • 4. SNUS(スヌース)の歴史と歩みを学ぶのに最適  "SNUS&MATCH MUSEUM" 

 

 1スウェーデン喫煙事情 喫煙者減少の一方で増えるスヌース愛好者

 

スウェーデンでは今年7月、新たな喫煙対策規制法が施行された。

 

7月1日より、バス停や電車のホーム、バーやレストランのアウトドアスペースを含む場所における喫煙が規制の対象に加わり、公共スペースにおける喫煙はほぼ全面的に禁止される事になった。スウェーデンでは2005年に、いち早くバーやレストラン内での禁煙が義務化されており、今回の法案は更なる規制強化を求める声に応えたかたちだ。

 
スウェーデンでは近年、喫煙者の数は減少傾向にある。
 
EU統計局のタバコ消費量に関する調査データによると、15歳以上の喫煙率は16.7%と、EU加盟国内で最も低い喫煙率を誇っている。EU全体の喫煙率の平均は24%、喫煙率が最も高い国はブルガリアで、その割合は35%である。スウェーデン以外の北欧諸国の喫煙率は軒並み低く、フィンランドでは19.3%、デンマークは20.9%となっている。
 
喫煙者数が減少傾向にある背景には、喫煙に対する規制強化が一役買っていると言われているが、その一方で、無煙タバコ「スヌース」の愛好家が増えているという指摘もあり、タバコからスヌースへの移行が進んでいるだけという見方もある。
 
スウェーデン保健局によると、19%の男性、4%の女性が日常的にスヌースを使用している。ちなみに、スヌースの販売はスウェーデンを除く、全てのEU圏内で、健康に害を及ばす恐れがあるとして、法律によって規制されている。

 

2. SNUS(スヌース)とは

 

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スヌースは、タバコ葉を包んだポーションと呼ばれるティーパックのような袋を、歯茎と唇の間に挟み、唾液で溶けたニコチンを口内の粘膜から摂取し使用する。無臭で、火を使わず、煙を出さないため「無煙たばこ」とも呼ばれる。
 

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(写真にあるティーパックのようなものを歯茎と唇の間に挟み使用する。)
 
スヌースの歴史は深く、その起源は16世紀に遡る。当時かぎタバコと呼ばれていたスヌースの元祖は、フランスの宮廷をはじめ、上流階級が嗜む高価なものであり、片頭痛の治療薬として主に使われていたそうである。
 

17世紀に入ると、かぎタバコはスウェーデンに普及しはじめた。その後、かぎタバコをベースに19世紀、国内のタバコ生産者により考案されたものが現在のスヌースにあたるもので、その後、広く一般国民の間で普及していったという。

 

日本でも2013年8月よりスヌースの販売が開始されており、JT(日本たばこ産業会社)のHP上でも紹介されている。

 

3. 非喫煙者は試すべきではない!?

 

留学中、寮に住むシリア人の友人に薦められ、伝統文化に触れるという名目で、一度スヌースを試しに使用した。ちなみに、私は普段全くタバコを吸わない人間である。

 

唇と歯茎の間に入れると、少し歯茎を通し、発熱による熱さを感じ、10分ほど経つと頭が少しクラクラしはじめた。始めは、心地よい船酔いのような気分がしただけで、悪い気分はしなかった。しかし、時間が経つにつれ、徐々に吐き気を伴う気持ち悪さに襲われはじめ、20分後、口からポーションを吐き出した。頭がフラフラし、気持ち悪さに耐えきれずトイレに駆け込み、その後1時間ほどこもっていた。

 

最も強いスヌースを使用したため、このような結果を招いたのは否定できないが、個人的には、普段タバコを吸わない、ニコチンに慣れていない人間がスヌースを使用するのはおすすめできない。もし試してみるにしても、不快感を感じたらすぐに取り出した方がいい。

 

煙や臭いを発しないその特性から、授業中や仕事中にスヌースを使用しているスウェーデン人の友人は少なくなかった。タバコとは違うといえども、ニコチンを摂取することに変わりはなく、もちろん健康に対する害はある。ある研究調査によると、一日1~2つのポーションを使用するスヌースの愛好者は、そうでない人に比べ、糖尿病にかかる確率が70%高いという。タバコに比べスヌースによる健康被害に関する研究は乏しいため、スヌースの健康被害に対する危機感を抱きにくいことが、一部の研究者によって問題として指摘されている。

 

4. SNUS(スヌース)の歴史と歩みを学ぶなら  SNUS&MATCH MUSEUM

 

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ストックホルムには、スヌースの歴史と製造過程について学ぶことのできる博物館がある。その博物館は、観光客に人気の高いABBA博物館や野外博物館スカンセン、北方民族博物館があるユールゴールデン島に位置するため、それらを訪れるついでに覗いてみるのもいいかもしれない。

 

www.snusochtandsticksmuseum.se